慶応大学教授の経済学者「金子勝氏」の「練馬グリーンエネルギー」主催による講演会を聞いた来ました。金子先生は以前はテレビ朝日の「サンデープロジェクト」等に出演されており非常に分かり易い講演でした。
現在は20世紀の集中メインフレームから21世紀分散ネットワークの時代への移行期であり、情報だけでなく、エネルギーも分散ネットワークに向かうのが歴史の必然だというコンセプトのセミナーでした。
文化、金融、エネルギーも集中メインフレームから分散ネットワークに向かっており、その代表例が流通のイトーヨーカ堂でのセブンイレブンと通信事業のNTTグループでのNTTドコモで有るとの話です。イトーヨーカ堂は企業グループの名前は「イトーヨーカ堂グループ」では無く、「7iホールディングス」であり、グループ全体の売り上げはコンビニのネットワークであるセブンイレブンの方が大きい。NTTも主流は固定電話を各家庭に置き、電話線を繋げるのではなく、携帯電話を各人が持ち、基地局を各拠点に作り、そこからは電波を送るネットワークが主流になっている。これが分散型ネットワークが現在の主流の証拠だということだそうです。
電力も同じで、大きな電力を作り出す発電所を1か所つくり、そこからすべてのユーザーに電力を送るのではなく、各地域に地産地消で発電所が有り、(東京でいえば民家の屋根にソーラーパネルを置く。)それをクラウド、ITCによりネットワーク化し、車も電気自動車が端末になり蓄電を担う。このようなスマートグリッド、スマートシティーの発想が重要であり、進めなくてはならない。
現在、地方の活力が落ちてきており、地方創世の為にも、分散型電源ネットワークの推進は急務との事でした。
少し前から言われているスマートグリッド、分散化電源の話ですが、2016年から電力の完全自由化に向けて、現在、買い取り価格の問題等で進み方が減速している所は有りますが、分散化電源のネットワーク化は今後の日本の発展の為にも大事であるとの話でした。あまり報道されませんが「節電の技術」は進んでおり、今話題のLEDでオーストラリアが進めているような「全電灯をLED」に変えれば電力の20%削減も可能となり、再生可能エネルギーの割合を大きくしても電力消費の維持はできる。とのお話でした。
この分散化電源には蓄電器が重要であり、現在リチウムイオンが主流ですが、将来的にはマグネシウム電池が主流となり、再生可能エネルギーと蓄電池のネットワークでの電力供給社会として行けるとの主張でした。
「持続可能エネルギー」による「持続可能社会」の実現は是非到達して欲しいものです。